知人やお世話になっている医師がクリニックを開院する際は、日頃の感謝やお礼を込めて開院祝いを贈りたくなります。しかし、初めて開院祝いを贈る際は、どんな贈り物を選んだらいいか分からずに悩んでしまうかもしれません。
本記事では、クリニックの開院祝いで人気の贈り物と、開院祝いの相場やタブーについて解説していきます。開院祝いの贈り物選びで迷っている人は、参考にしてみてください。
目次
1.クリニックの開院祝いに関するマナー
クリニックの開院祝いを贈る際は、相手に喜んでもらえるようにタイミングや贈り方、相場を理解する必要があります。クリニックの開院祝いに関するマナーについて、詳しく解説していきます。
1-1.開院祝いを贈るタイミング
クリニックの開院は、医師にとって人生の大きな節目です。
そんな開院祝いを贈る最適なタイミングは、開院の数日前から開院前日です。
開院予定日の1週間前などは、まだスタッフが在中していなかったりクリニックの準備が完全でなかったりします。早すぎるタイミングで開院祝いを郵送してしまうと、受け取りがスムーズにできない可能性があるので控えましょう。
一方で、開院してから1週間以上過ぎると、祝賀の意図が薄れて開院祝いの印象が弱まる可能性があります。
開院祝いは、開業日の数日前に届くように手配します。
1-2.開院祝いの贈り方
開院祝いを贈る方法として一番相応しいのは、手渡しです。
直接医師に手渡しすることで、お祝いの言葉を一緒に贈れるためです。
クリニックの内覧会に招待された場合は、内覧会の当日に開院祝いを「手渡し」をしましょう。
内覧会では、多くの関係者が招待されているので、簡潔にお祝いの言葉を伝えて開院祝いを手渡すのがマナーです。
手渡しができない場合は、郵送で開院祝いを贈ります。
その際は、開院前日までに届くように日時を指定しておくことが大切です。
直接手渡しできない場合は会話ができないので、メッセージカードを同封してお祝いの言葉を添えましょう。どのような方法で開院祝いを渡す場合でも、その際の心遣いや祝意が贈り物の価値を高め、受け取る医師の記憶に残るギフトになります。
1-3.開院祝いの相場
開院祝いの相場は、贈る相手との関係性によって異なります。
一般的には、10,000円〜30,000円程度が相場とされていますが、身内などの近しい間柄では50,000円程度までが開業祝いの上限です。
相手に気を遣わせたくない人は、10,000円程度で贈り物を選んでみましょう。贈り物の選び方については、次項で解説します。
2.クリニックの開院祝いに人気の贈り物
クリニックの開業祝いに人気の贈り物として、今回は5選を用意しました。
相手との関係性や医師の人柄を踏まえて、最適な贈り物を選んでみましょう。
2-1.お花
クリニックの開業祝いでは、お花が人気です。特に、胡蝶蘭はその豪華さと縁起の良さから開業祝いの贈り物として非常に人気が高く、クリニックの受付や待合室を明るくするのに適しています。
また、胡蝶蘭には「幸福が飛んでくる」という花言葉があるので、クリニックの開院に最適です。
白やピンクの大輪の胡蝶蘭は、開院を祝う際に相応しい贈り物です。
お花を贈る際は相手の医院に事前に確認をとることをおすすまします。問題なければ、花の種類や色、大きさなどをクリニックの雰囲気や医師の好みに合わせて選んでください。
2-2.カタログギフト
カタログギフトは、医師が自分の好みに合わせて商品を選べる柔軟性から、開院祝いとして人気です。
カタログギフトを贈る際は、豊富な選択肢のあるカタログを贈ることが重要です。
インテリア用品やアート作品、飾り物など、医師の趣味や医院に合わせたカテゴリーが含まれているカタログを選びます。送付する際は、カタログギフトと一緒に心温まるメッセージカードを添えることが効果的です。
2-3.お菓子やコーヒー
お菓子やコーヒーは、医師だけでなく、クリニックのスタッフにも楽しんでもらえる贈り物です。
お菓子やコーヒーを贈る際は、高品質で美味しいお菓子やコーヒー豆を選ぶことが重要です。
例えば、有名パティシエの手作りクッキーや、品質の高いスペシャルコーヒー豆などが開院祝いとして相応しいでしょう。お菓子やクッキーを贈る際は、医師へのお祝いの気持ちを込めたメッセージを添えることで、贈り物の価値を一層高められます。
2-4.加湿器や空気清浄機
クリニックの快適な環境を支えるために、加湿器や空気清浄機は実用的で優れた贈り物です。
加湿器や空気清浄機は、クリニックの運営に必須ではありません。そのため、多忙な開院時に準備を忘れてしまう医院もあります。
患者の快適さやスタッフの健康を考慮して選ばれた空気清浄機や加湿器の贈り物は、開院直後の医師から感謝されるでしょう。加湿器や空気清浄機は複数あっても部屋ごとに使用できるので、他者の開院祝いと被っても用途に困らないというメリットもあります。
2-5.商品券や現金
商品券や現金は、医師が自由に使えるので実用的な贈り物です。商品券や現金を贈る際は、表書きに「御祝」や「御開院御祝」と記載した紅白の蝶結びの祝儀袋を用意します。
商品券や現金は、手渡しで渡すのが一般的で、袱紗(ふくさ)と呼ばれる布に包んで持参しましょう。
「開業おめでとうございます。クリニックのさらなる発展に寄与できれば幸いです」などのお祝いの言葉を述べて手渡すのが効果的です。
開院祝いとして贈る金額や商品券の種類は、医師との関係性やクリニックの規模などを考慮して選びましょう。
3.クリニックの開院祝いでのタブー
クリニックの開院祝いを贈る際には、相手に失礼のないような贈り物の選定や言葉選びが重要です。
クリニックの開院祝いのタブーについて、詳しく解説していきます。
3-1.赤色や火に関連する物
医療現場では、赤色は血や緊急を連想させる色として認識されます。そのため、開業祝いの贈り物に赤色のアイテムを使用することはタブーです。
例えば、赤色の花や赤い装飾品は、医師や患者にとって不適切な印象を与えます。
さらに、火に関連するアイテムも祝い事には縁起が悪いとされています。
アロマキャンドルや香炉はリラクゼーション用品として人気がありますが、火を連想させるためクリニックの開業祝いには不向きです。
赤色や火に関連する物は、開院祝いの贈り物として選ぶのを避けましょう。
3-2.ブリザードフラワー
ブリザードフラワーは、健康や命を取り扱う医療の現場ではタブーと考える人がいます。
クリニックの開院祝いは、新たなスタートと成長を祝う機会です。
生命活動のないブリザードフラワーは、これから発展していくクリニックの開院祝いの贈り物として相応しくない可能性があります。お花を贈りたい場合はブリザードフラワーは避け、生花のブーケやアレンジメントを選ぶほうが適切です。
3-3.スリッパ
スリッパなどの「相手を踏みつける」行為を連想させる品物は、開院祝いの贈り物として適していないと考えられます。そのため、クリニックの開院祝いにスリッパを贈ることは、失礼に値します。
クリニックの開院に必要になるスリッパですが、開院祝いの贈り物として選ぶのは避けましょう。
3-4.忌み言葉
開院祝いにメッセージを添える際には、忌み言葉を避けましょう。
クリニックの開院で避けるべき言葉は、以下の通りです。
- 火を連想させる言葉:「燃える」「焼ける」「焦げる」「火」「煙」
- 事業の失敗を思わせる言葉:「倒れる」「敗れる」「負ける」「失敗」「辞める」
- 不運を連想させる言葉:「切る」「落ちる」「失う」
開院祝いの場では、前向きでポジティブな言葉遣いを心がけることが大切です。
「益々のご繁栄をお祈りしております」といった言葉は、医師への尊敬と支援の気持ちを伝えると同時に、クリニックの明るい未来への期待を伝えられます。
4.クリニックの開院祝いに贈りたいメッセージ
クリニックの開院祝いには贈り物と一緒にお祝いのメッセージを添えましょう。
今回は、開院する医師との関係性別にメッセージの書き方を解説します。
4-1.取引先の開院
取引先の医師がクリニックを開院する際、ビジネスパートナーとしての敬意と祝福を込めたメッセージを贈ることが大切です。「新しい門出を心から祝福します」といった表現は、新たなビジネスの始まりを祝福し、取引先の成功を願う気持ちを表しています。
また、「貴院の繁栄と発展を心よりお祈りしております」という言葉は、取引先の将来への期待と支援の意を表し、ビジネスパートナーとしての繋がりを今後も続けたいという気持ちを込められます。
メッセージカードや開院祝いを手渡しする際に、お祝いのメッセージを伝えましょう。
4-2.身内の開院
身内がクリニックを開院する場合、個人的な感情を込めた温かいメッセージを用意します。
身内からの温かいメッセージは、家族間の絆の深さや個人的な支援を感じられるでしょう。
例えば、「あなたの夢の実現を心から祝福します」という言葉は、長年の努力が実を結んだことへの喜びと、家族としての支援を表現しています。「これからの成功を心から願っています」というメッセージは、未来への期待と家族としての継続的なサポートを示し、開院する医師に勇気と自信を与えます。
身内として心からの愛とサポートを伝えるために、直筆の手紙やメッセージカードを用意することが理想的です。
4-3.友人や知人の開院
友人や知人の開院を祝う際は、親しみやすさと祝福の気持ちを込めたメッセージが適切です。
このような友人や知人へのメッセージは、個人的な関係性と、開院に対する真摯な喜びを表現します。
例えば、「自分のことのように嬉しい」という言葉は、友人や知人の努力が実を結んだことへの喜びを表します。「新しいスタートに幸多かれ」というメッセージは、新しいクリニックの成功と友人や知人の幸せを願う心温まる祝福の言葉です。
SNSのメッセージやメール、個人的な手紙やメッセージカードにお祝いの言葉を書くことで、友人や知人に直接心からの祝福を伝えられます。
5.クリニックの開院祝いでよくある質問
クリニックの開院祝いに関してよくある質問をまとめました。
クリニックの開院祝いについて分からないことがある人は、以下の見出しを参考にしてみてください。
5-1.クリニックの開院祝いはスタッフから贈るべきですか?
自分が勤務するクリニックの開院祝いは、基本的に贈る必要がありません。
開院した医師にとって、誠実に勤務することが一番嬉しいためです。
また、スタッフで1人だけ開院祝いを贈ってしまうと他のスタッフとの人間関係に摩擦が生じる可能性があるので、休憩中などに相談してみるのがおすすめです。
5-2.担当医師が開院する際に開院祝いを贈るべきですか?
現在病院でお世話になっている担当医師が開業する際、患者として開院祝いを贈る風習はありません。
開院した医師にとっては、引き続きクリニックに来院してくれることが一番のお祝いになります。
初診の際に口頭で「開院おめでとうございます」と伝えるだけでも、開院した医師は喜んでくれます。
良い治療を受けるためには、担当医師との相性も重要です。お世話になった医師が開院した際は、引き続きクリニックで診療を受けることがお互いにメリットになるでしょう。
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5-3.開院祝いのお花はいつ届けるべきですか?
開院祝いとしてお花を贈る際、一般的には開院日の前日までに届けます。
開院の直前に贈ることで、クリニックの開院日を華やかな空間にできるためです。
ただし、配送の際はクリニック側の都合を十分に確認し、受け取りしやすいように配慮しましょう。花の配送を業者に依頼する際は、クリニックの住所や受取人の正確な情報を提供し、配送完了の確認まですることが重要です。
5-4.開院祝いをいただいたらお礼は必要ですか?
開院祝いを受け取った際には、お礼状やお礼の品を送るのが一般的なマナーとされています。
お礼状は、贈り主への感謝の気持ちを適切に表現することで、良好な関係を維持するために重要です。
お礼は、開院祝いを受け取った後できるだけ早めに送ることがマナーです。
このお礼には、「貴重なお祝いをいただき、心より感謝申し上げます」「お心遣いに深く感謝しております」といった言葉を含めることで、贈り主に対する感謝の気持ちを伝えられます。
また、お礼状には、贈り物がクリニックにとってどれほど大切かを述べることで、贈り主との信頼関係をより強固なものにできます。
6.まとめ
クリニックの開院祝いは、マナーを守って行うことで日頃の感謝をより一層伝えられます。開院の前日までに届くように配送を手配したり相場に見合った商品を選んだりすることで、相手に必要以上の気遣いを与えないようにしましょう。
開院祝いの贈り物には、お花やカタログギフトだけでなくお菓子やコーヒー、商品券や現金などがおすすめです。医師の人柄や新しいクリニックに合うような贈り物を選ぶことで、大切な記念日を彩る手伝いができます。
贈り物を選ぶ際は、赤色や火に関わる物、ブリザードフラワーや忌み言葉を避けることも大切です。お花を贈る際も、医師に許可を取ってから贈ることで相手も喜んで受け取ってくれます。
クリニックの開院は、人生にそう何度もありません。大切な開院日を祝福し、末永いお付き合いをしていきましょう。
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