研修医の年収はどれくらい?1年目・2年目の目安と当直の実態

研修医の年収には一定の参考値がありますが、実際の条件は勤務先や当直回数、各種手当によって大きく変わります。
ただ、額面だけを見て研修先を選ぶと、「思っていた働き方と違った」「年収は高いけれど負担が大きい」といったミスマッチにつながることも少なくありません。

特に、大学病院と市中病院の違い、当直手当の有無、専門研修に進んだ後の収入の変化まで見ておくと、年収の見え方は変わります。
この記事では、研修医1年目・2年目の年収の参考値をもとに、収入に差が出る理由や、勤務先選びで確認しておきたいポイントを分かりやすく整理して解説します。

目次

1.研修医の年収はどれくらい?1年目・2年目の参考値

研修医の年収がどれくらいなのかは、医学生やこれから勤務先を選ぶ人にとって特に気になるポイントです。
まずは1年目・2年目の目安を押さえたうえで、勤務先や地域によってどの程度差が出るのかを見ていきましょう。

1-1.研修医1年目・2年目の参考値

研修医の年収は勤務先によって差がありますが、一定の目安はあります。
厚生労働省の過去の調査では、初期研修医1年目の平均年収は4,352,610円、2年目は4,812,899円です。この数値には賞与も含まれています。

研修医の年収大学病院(114病院)臨床研修病院・市中病院
(924病院)
合計(1038病院)
1年目の平均3,074,172円4,510,339円4,352,610円
2年目の平均3,123,132円5,021,376円4,812,899円

参照:厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」

2年目は1年目より460,289円高く、年数を重ねることで収入がやや上がる傾向が見られます。

ただし、この調査は過去のものであり、現在の給与水準そのものを示す最新データというより、研修医の収入感や大学病院・市中病院の差を把握するための参考値として見るのが適切です。

実際の給与条件は、病院ごとの募集要項や当直体制、賞与・住宅手当などの有無によって変わるため、最新の条件は個別に確認することが大切です。

1-2.年収には病院ごとの差がある

同じ初期研修医でも、勤務先によって給与条件はかなり異なります。
特に差が出やすいのは、基本給だけでなく、当直手当や賞与、各種手当の設計です。

また、平均値で見ると、大学病院と臨床研修病院・市中病院では差があります。
一般的には、市中病院のほうが大学病院より年収が高い傾向があります。

ただし、見かけの年収が高くても、その中に当直手当が大きく含まれている場合があります。
総額だけを見ると魅力的に見えても、実際には負担の大きい働き方で成り立っていることもあるため、数字だけで比較しないことが大切です。

1-3.地域差はあるが、まずは病院ごとの差を見たい

(引用:厚生労働省「臨床病院における研修医の処遇」

研修医の年収には地域差もあります。

ただ、実際に研修先を比較するときは、「どの地域か」だけで考えるより、「どの病院で、どんな条件で働くか」を見たほうが実態に合っています。
というのも、研修医の給与は病院の方針や当直体制、手当の設計によって差が出やすく、地域差だけでは実情をつかみにくいからです。

地域差はあくまで参考のひとつとしてとらえ、病院の種類や当直体制、教育環境、手当の条件まで含めて確認することが大切です。

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2.大学病院と市中病院で年収はどう違う?

研修医の年収を見るとき、特に気になるのが大学病院と市中病院の違いです。
同じ研修医でも、勤務先によって収入や働き方、学べる内容は大きく変わります。ここでは、その違いを整理します。
以下は一般的な傾向であり、実際の待遇や研修内容は病院ごとに異なります。

比較項目大学病院市中病院
年収傾向低め高め
経験しやすい内容専門性の高い症例、研究、学会との接点幅広い症例、実践的な診療経験
働き方の傾向アカデミックな環境に触れやすい現場に近く、実務負担が大きい場合もある
向いている人将来の専門性や研究環境を重視したい人まずは幅広い症例経験を積みたい人

このように、大学病院と市中病院では年収だけでなく、経験できる内容や働き方にも違いがあります。どちらが良いかは一律ではなく、自分が何を重視したいかによって変わります。

2-1.市中病院のほうが年収は高い傾向がある

過去調査では、大学病院よりも市中病院のほうが年収が高い傾向が見られます。研修医1年目の平均年収は大学病院が3,074,172円、臨床研修病院・市中病院が4,510,339円となっており、市中病院のほうが高い水準です。2年目も同様に、大学病院が3,123,132円、市中病院が5,021,376円で、市中病院の平均年収は大学病院を上回っています。

このため、「少しでも年収の高い研修先を選びたい」と考えたとき、市中病院に魅力を感じる人が多いのは自然なことです。

ただし、市中病院の年収が高い背景には、診療の現場に近く、症例数が多いことや、当直・実務の負担が大きくなりやすいことが関係している場合があります。
そのため、年収差だけを見て判断するのではなく、その金額がどのような働き方の上に成り立っているかまで見ておくことが大切です。

2-2.大学病院は給与以外の魅力もある

一方で、大学病院は市中病院より年収が低めに見えることがあっても、給与以外の面で選ばれる理由があります。
たとえば、専門性の高い症例に触れやすいこと、研究や学会発表などアカデミックな環境に接しやすいこと、将来の専門研修につながる人脈や経験を積みやすいことなどは、大学病院ならではの特徴です。

特に、将来的に専門医取得を視野に入れている人や、特定分野を深く学びたい人にとっては、大学病院での経験が大きな意味を持つことがあります。

もちろん、すべての人に大学病院が向いているわけではありません。
ただ、「幅広い症例を数多く経験したいのか」「専門性の高い環境に早く触れたいのか」によって、向いている勤務先は変わります。年収差は気になるポイントですが、それだけで大学病院を不利と考える必要はないでしょう。

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2-3.比較したいのは年収だけではない

実際に研修先を選ぶときは、年収だけでなく、症例数や教育体制、ローテーション内容、指導医との距離感、相談のしやすさもあわせて見ておきたいポイントです。

たとえ市中病院のほうが年収が高くても、自分が思うような研修を受けられなければ満足度は上がりません。逆に、給与はやや低くても、将来につながる経験が積める環境であれば、納得感のある選択になることもあります。

3.当直や各種手当で収入はどれだけ変わる?

研修医の年収差には、基本給だけでなく、当直手当や賞与などの条件も関係しています。
月給だけでは実態が分かりにくいため、ここでは収入の内訳を整理します。

収入項目内容確認したいポイント
基本給毎月固定で支給される給与月給だけでなく年収ベースでも確認する
当直手当夜間・休日勤務に応じて支給される手当1回あたりの金額と月の回数を確認する
賞与病院によって支給の有無や回数が異なる支給実績や回数が明記されているか確認する
住宅・通勤手当病院ごとに条件が異なる支給条件と実際の負担軽減額を確認する

研修医の収入は、基本給だけでなく、こうした手当や賞与を含めて見ないと実態が分かりにくいことがあります。募集要項では、月給だけでなく内訳まで確認しておくことが大切です。

3-1.基本給だけでは収入の実態は分からない

研修医の収入を見るとき、基本給だけを見ても実態はつかみにくいものです。
実際の給与は、基本給に加えて、当直手当や賞与などで構成されることが多いためです。

病院ごとに基本給の設定は異なり、地域や病院の規模によって差が出ることがあります。ただ、同じような月給に見えても、手当の支給条件や賞与の有無によって、年間の総支給額には差が出ます。

そのため、募集要項を見るときは、月給だけで判断せず、「年収ベースでどうか」「どこまでが固定で、どこからが手当なのか」まで確認しておくと比較しやすくなります。

特に研修医の場合、見かけの年収に目が行きやすい一方で、その金額の内訳までは見落としやすいため注意が必要です。

3-2.当直手当の有無や回数で差が出やすい

研修医の年収差が出やすい要素のひとつが当直手当です。
当直手当は、夜間や休日に病院で勤務した際に支払われる追加の手当で、忙しい病院や医師数に余裕のない地域では、当直の機会が多くなりやすい傾向があります。

当直手当の金額や回数は病院によって差があり、年間の収入差につながることがあります。基本給に大きな差がなくても、当直回数の違いによって年収が変わるのは珍しくありません。

そのため、「年収が高い病院」を見るときは、単に総額を見るのではなく、当直が月何回あるのか、どの程度の負担なのかもあわせて確認しておくことが大切です。
年収が高く見えても、当直が多いと負担が大きくなり、学習時間や休息を確保しにくい場合があります。

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3-3.賞与や各種手当も見落とせない

月収だけを見ると大きな差がないように見えても、賞与込みで比較すると年収に差が出ることがあります。
賞与は病院の規模や経営状況によって差が出やすく、賞与の有無や支給実績は病院によって異なります。

また、住宅手当や通勤手当など、病院によって支給条件が異なる項目もあります。こうした手当は一つひとつの金額が大きくなくても、年間で見ると差につながることがあります。

手当の記載があっても、実際にはどの条件で支給されるのか分かりにくい場合もあるため、募集要項だけで判断せず、見学や説明会で確認しておくと安心です。
特に、「賞与あり」と書かれていても支給回数や実績が分からないこともあるため、年収を比較する際はできるだけ具体的に確認しておきたいところです。

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4.研修医はアルバイトできる?禁止される理由

研修医の年収を見ていると、「当直や手当以外に、アルバイトで収入を補うことはできないのか」と気になる人もいるかもしれません。
特に、奨学金の返済や生活費の負担を考えると、初期研修中の収入を少しでも増やしたいと感じるのは自然なことです。

ただ、研修医のアルバイトについては、初期研修中と専門研修以降で考え方が異なります。ここでは、その違いと理由を整理していきます。

4-1.初期研修医は原則アルバイトできない

結論から言うと、初期研修医は原則としてアルバイトできないと考えておくのが基本です。
初期研修の2年間は、医師として必要な基本的な知識や技術を身につける大切な時期であり、勤務先としても、まずは研修に集中することを前提に制度を組んでいます。

そのため、外部で収入を補う働き方は基本的に想定されていません。
実際、初期研修医は日中の通常業務に加え、夜間や休日の対応、当直勤務などもあるため、時間的な余裕が限られやすいのが実情です。

4-2.制限される背景は、研修への専念と医療安全への配慮

初期研修医のアルバイトが制限される理由は、単にルールの問題だけではありません。
大きいのは、研修の質を保つことと、医療安全を守ることです。

研修医は、日々の診療を通じて医師としての基礎を身につけていく立場です。そうした時期に外部の仕事まで抱えると、学ぶべき内容に十分集中しにくくなります。
さらに、長時間労働による疲労が重なると、判断力の低下や医療ミスのリスクにもつながりかねません。

実際、研修医は1日の大部分を病院で過ごし、当直や休日対応が入ることもあります。そうした中でさらに外部で働くのは、体力的にも精神的にも負担が大きくなりやすいでしょう。

収入面では厳しく感じることがあっても、制度の趣旨としては、無理のない研修環境を保ち、患者の安全や医療の質を守るための考え方といえます。

4-3.専門研修以降は可能な場合もある

一方で、専門研修以降は、所属先の規定や勤務条件によって非常勤勤務が認められる場合があります。
専攻医になると、特定の分野で一定の専門性を持つようになり、非常勤勤務を認める病院もあるためです。

また、専門研修以降は、収入を増やす目的だけでなく、経験を広げたり、別の現場を知ったりする目的で非常勤勤務を行うケースもあります。

ただし、どのような働き方でも自由にできるわけではありません。本来の勤務や研修に支障が出ないこと、所属先のルールを守ること、勤務先の安全基準を守ることが前提になります。
そのため、収入を増やす手段としてアルバイトを考える場合でも、まずは制度や病院ごとの規定を確認することが大切です。

初期研修中は原則として難しい一方で、専門研修以降は選択肢が広がる可能性がある、と整理しておくと分かりやすいでしょう。

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5.専門研修に進むと年収はどう変わる?

初期研修中は、年収だけを見ると不安を感じる人も少なくありません。
ただ、医師のキャリアは初期研修の2年間だけで決まるわけではなく、その後に専門研修へ進むことで、収入や働き方は変わっていきます。

初期研修中はアルバイトで収入を補うのが難しい一方、専門研修以降は働き方の選択肢が広がることもあります。ここでは、専攻医になった後の年収の見通しと、その背景を整理していきます。

5-1.専攻医になると年収は上がる傾向がある

初期研修を終えて専門研修に進むと、初期研修中より収入が上がるケースが多く見られます。

もちろん、勤務先や診療科、地域によって差はありますが、初期研修中の年収だけを見て将来の収入を判断しなくてよい、という点は大きな安心材料です。
実際、初期研修では幅広い分野を学ぶことが中心になるのに対し、専門研修では特定分野での実務経験や専門性が深まるため、収入もそれに応じて上がりやすくなります。

5-2.収入が上がるのは役割が変わるから

専門研修に入ると、初期研修医よりも求められる役割が広がり、診療上の責任や裁量も大きくなっていきます。そのため、収入面でも差が出やすくなります。

初期研修では、複数の診療科をローテーションしながら、医師としての基礎を幅広く身につけていきます。
一方、後期研修にあたる専門研修では、特定の分野を深く学び、専門医資格の取得も見据えながら、より高度な診療や判断が求められるようになります。

この違いが、そのまま収入差にもつながっていきます。
つまり、初期研修の2年間は「収入が低い時期」というよりも、その後に専門性を高め、収入やキャリアの幅を広げていくための土台をつくる期間と捉えるほうが実態に近いでしょう。

5-3.初期研修先選びは将来のキャリアにもつながる

初期研修先は、2年間を過ごす場所というだけでなく、その後の専門研修やキャリア選択にもつながります。
将来進みたい分野がある程度見えている場合は、その分野につながりやすい環境かどうかを見ておきたいところです。

たとえば、幅広い症例を経験できるのか、将来希望する診療科に触れやすいのか、指導体制が整っているのかといった点は、その後の進路の考えやすさにも関わります。
また、まだ進路がはっきり決まっていなくても、選択肢を狭めすぎず、さまざまな経験を積める環境かどうかは確認しておく価値があります。

初期研修では収入そのものに目が向きやすいですが、そこでどのような経験を積むかは、専門研修以降の働き方や年収にもつながっていきます。

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6.収入だけで研修先を決めてはいけない理由

ここまで、研修医の年収目安や、大学病院と市中病院の違い、当直や手当による収入差、さらに専門研修以降の年収の見通しを見てきました。
そうすると、「結局どこが一番稼げるのか」を基準に研修先を選びたくなるかもしれません。

ただ、初期研修先は収入だけで決めないほうが、結果的に後悔しにくくなります。
初期研修の2年間は、単に給与を得る期間ではなく、医師としての土台をつくる大切な時期だからです。

6-1.年収が高くても合うとは限らない

給与条件が良い病院が魅力的に見えるのは自然なことです。
ただし、年収が高い病院が、必ずしも自分に合う研修先とは限りません。

高年収の背景には、当直回数の多さや業務負担の重さがある場合もあります。
実際、研修医の年収は勤務先によって大きく差があり、高い給与が提示されている場合ほど、長い勤務時間や多い仕事量が求められている可能性も考えられます。

もちろん、高年収だから必ず激務だと決めつけることはできません。
ただ、実際に入ってみたら「思っていた以上に忙しかった」「教育に十分な余裕がなかった」と感じることはあり得ます。

6-2.満足度を左右するのは年収だけではない

研修先の満足度を左右するのは、給与だけではありません。
どのような症例を経験できるか、上級医に相談しやすいか、ローテーションの内容が自分に合っているか、忙しさの中にも学びがあるかといった点が、日々の納得感につながります。

同じ「忙しい病院」でも、症例が豊富で成長実感を持てる環境と、業務に追われるだけで学びを得にくい環境では意味が異なります。
また、同じ「年収が高い病院」でも、その背景にある当直体制や教育体制によって、働きやすさは大きく変わります。

そのため、「忙しい=悪い」「年収が高い=良い」と単純に考えるのではなく、自分にとってどのような環境が学びやすいのかを考えながら比較することが大切です。

6-3.2年間の経験はその後にも影響する

初期研修の2年間で身につける経験や姿勢は、その後の診療スタイルやキャリアの選び方にもつながります。
将来、専門医取得を目指すのか、特定分野に進みたいのか、あるいは働き方の柔軟さを重視したいのかによって、初期研修先に求めるものも変わってきます。

だからこそ、初期研修の段階では、年収の高低だけにとらわれるよりも、「その後につながる経験を積めるか」という視点を持つことが重要です。
この2年間でどのような診療経験を積めるのか、どのような指導を受けられるのか、どのような将来の選択肢につながるのか。

こうした点まで含めて考えると、研修先選びの軸がぶれにくくなります。
「この2年間でどのような医師になりたいか」を起点に考えることが、納得できる研修先選びにつながります。

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7.研修医が勤務先選びで確認すべきポイント【チェックリスト】

研修医が勤務先を選ぶときは、年収だけでなく、働き方や学べる内容、将来のキャリアまで含めて見ることが大切です。
まずは、比較するときに確認しておきたいポイントをチェックリストで整理します。

研修先選びのチェックリスト

•年収の総額だけでなく、基本給・当直手当・賞与の内訳を確認したか
•当直回数や時間外勤務の実態を確認したか
•大学病院か市中病院か、自分に合う学び方を考えたか
•指導体制や相談しやすさを見学・説明会で確かめたか
•症例数やローテーション内容が自分の希望に合っているか確認したか
•将来の専門研修やキャリアにつながる環境か考えたか
•最後に、自分が2年間働くイメージを持てるか振り返ったか

7-1.給与だけでなく当直回数や勤務実態を見る

勤務先を比較するときは、年収額そのものだけでなく、その金額がどのような働き方で成り立っているかを見ることが大切です。

たとえば、基本給が高いのか、当直手当込みで年収が高く見えるのか、賞与の比重が大きいのかによって、実際の負担感は変わります。
年収の数字だけでなく、勤務実態まで含めて比較することが重要です。

7-2.大学病院か市中病院か、自分に合う学び方を考える

大学病院と市中病院では、年収だけでなく、経験できる内容や学び方にも違いがあります。
「まずは幅広く経験を積みたい」のか、「早い段階から専門性の高い環境に触れたい」のかによって、向いている勤務先は変わります。

7-3.指導体制や相談しやすさも重要

研修医にとっては、症例数が多いかどうかだけでなく、どのような指導を受けられるかも重要です。
同じように忙しい病院でも、丁寧に教えてもらえる環境であれば学びやすく、相談しづらい環境では不安が大きくなりやすいでしょう。

7-4.症例数やローテーション内容が合っているか確認する

将来進みたい診療科がある程度見えている場合は、その分野につながる経験を積みやすいかどうかも確認しておきたいポイントです。
一方で、まだ進路が決まっていない場合でも、幅広い経験を積める環境かどうかは重要です。

7-5.将来のキャリアにつながる環境か考える

初期研修先は、その後の専門研修や働き方の選択肢にも関わってきます。
将来希望する分野に進んだ先輩がいるか、その病院で専門研修に進む道があるか、キャリアの相談がしやすいかといった点は、進路を考えるうえで参考になります。

7-6.最後は自分の感覚でも判断する

他の人に合う環境が、自分にも合うとは限りません。
給与、忙しさ、教育体制、経験できる症例、将来のキャリアを総合的に見たうえで、「自分にとって続けやすく、成長しやすい環境か」を考えることが、後悔しにくい勤務先選びにつながります。
見学や説明会では、数字や制度だけでなく、「ここで2年間働く自分をイメージできるか」という感覚も大切にしてみてください。

8.まとめ

研修医の年収は、1年目・2年目ともに一定の目安があるものの、勤務先や当直回数、手当の条件によって差が出ます。
特に、大学病院と市中病院では年収の傾向が異なり、当直手当や賞与の有無も収入に影響します。

ただし、研修先を選ぶときは年収だけで決めないことが大切です。
初期研修の2年間は、医師としての基礎をつくる大切な時期であり、症例数、指導体制、働き方、将来のキャリアとのつながりも同じくらい重要だからです。

収入は大事な比較軸のひとつですが、それがどのような働き方や学びの環境の上に成り立っているのかまで含めて見ていくことで、自分に合った研修先を選びやすくなります。